Column of ID教育研究所 

暗記するだけの勉強法は、さようなら

正しい勉強方法の手順について

英語を苦手にする生徒は高3生になって英単語を覚えようとする。英文法や英文解釈をするには今までの苦手意識から「入試は英語が合否を決める科目」と思ってもなかなか思うように進まない。英単語は今までのハンデには関係なく、すぐに取りかかれる。単語の意味がわかれば、長文問題もわかるだろうと思ってしまう。しかし、夏休みを過ぎても模試ではその結果はなかなか出ない。秋には伸び悩むことになる。本人はかなり英単語も覚えたし、文法問題も勉強したのに長文は意味のわからないままの状態が続く。私が正しい勉強方法の手順というのは、まず英文を見て各語の品詞(名詞・動詞・形容詞・副詞)が正しく言えるかどうかにかかっている。これら品詞を正しく言える生徒は英語を苦手にしている生徒がほとんどいないという事実があるからである。
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英単語を覚えることは悪いことではないのですが、順序が問題です。全国規模の模試の偏差値が55以上あれば、英単語を覚えることから始めてもいいですが、45以下の人にとっては英文の各語の品詞を正しく言えることが「英語の基礎」となるからです。その後に動詞に注目して、述語動詞を的確に見つけてその動詞が自動詞か他動詞を見抜く目を持てるようになれば、主語も目的語も見えるようになる。そうなれば、それ以降伸びてくる可能性が高くなる。そうなれば、覚えた単語も活かせるようになる。偏差値も50になっているはずです。
英語の基礎力がどの程度身に付いたかを確認の意味も含めて、センター試験の過去問で筆記200点満点(80分間)で110点を取れるかどうかをチェックしてください。(高3生の夏休みの終わりにはこのラインに持ってきてほしい)問2と3で配点の60%以上得点できているかどうかもみて、60%未満なら最優先で文法と文整序の問題について強化していってください。

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伸びるか、伸びないかはここでわかる

私が大手予備校に在籍していた時は自習室へ行って、自分が担任している生徒の姿を見ることが楽しみでもあった。彼らの自習している姿を見て、伸びるか、伸び悩むかをチェックするためです。伸びない可能性がある生徒はじっと教科書(テキスト)を眺めているだけで動きがないことです。体に動きがないことが硬直化し、頭の働きまで固まらせるのでしょうか。(医学的なことはわかりませんが)過去に伸びた生徒は常にペンを走らせたりして動きがあるのを知っているからです。動きのない生徒はなるべく早い段階に呼び出して「眺めているだけの勉強法」を改めるアドバイスをしてきました。生徒たちも身体を動かすことを意識して、家でも勉強の合間には体操やストレッチをしたり、部屋を歩き回って暗記したり、気分転換に犬の散歩も自分から積極的にするなど工夫して成績を伸ばすのを見てきました。眺めているだけの生徒は覚えた気になっていますが、忘れるのもかなり早いことを自覚したほうがよいようです。定期テスト(中間・期末)のように短期間に覚えてテストが終われば忘れてしまう勉強方法からは一刻も早く「さようなら」した方がよいです。かなり広い出題範囲の模試や入試では対応できません。それに入試日までは長距離です。短距離しか走れなくなっている人は怖がることはありません。長距離を走る方法さえ、身につければ、誰でも長距離を走れるようになれるのですから。「さあ、長距離トレーニングを始めましょう!」
先ずは、センター試験の国語の過去問題でトレーニングです。80分200点満点ですが、現代文の問題の問1<評論>と2<小説>を40分で解いてみてください。おそらく40分以上かかる人が多いようです。その原因は問題の本文を読むのが遅いからです。次に年度の違う問題を解く時は読むスピードをかなり意識して読んで解答してください。もっとスピードを上げるためには黙読ではなく、自宅では声を出して音読するトレーニングをしてください。それを続ければ、3か月も経てば、40分以内で解けるようになります。

<ドイチューマンとは>

 予備校時代、進路指導を担当するクラス担任のことを「チューター」と呼び、生徒は「土居チューター」を親しみも込めて生徒らは「ドイチュー」と縮めて呼んでいた。ラジオ番組「ドイチューの受験は気合いだ!」で番組名となったこともあり、生徒間で定着した。<ドイチューマン>は塾生であった石井里枝さんが質問や相談の順番待ちをする間に私の似顔絵を描いて誕生した。職員の間では、とても似ていると評判が高かったため、私が独立した際に自分のキャラクターとして正式に採用した次第です。。(その石井さんの近況は2010年4月、社会人に。この厳しかった就職戦線の中で、東証一部上場の優良企業に入社して、職種は研究開発部門に配属と聞いて、<ドイチューマン>もとても喜んでいます)



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<ドイチューマン>のコスチュームは全部7色あります。これらのデザインは元塾生だった斉藤明子さんが色づけしてくれました。彼女はID教育研究所の<ロゴマーク>も考案してくれました。今の私は元塾生たちに助けられています。


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代表 土居 一郎 (Ichiro Doi)

現在、ID教育研究所代表。
長年、大手予備校「河合塾」で現役生や高卒生の進路指導を担当。
在籍中は校舎運営、近畿地区の大学のボーダーラインやランキング設定、教務課英語科にてテキスト作成に携わる。
また1998年12月~2000年3月まで「ドイチューの受験は気合いだ!」というラジオ番組
5局(南海放送・西日本放送・四国放送・高知放送・山口放送)ネットのメイン・パーソナリティを担当。
現在は私立高校3校の進路アドバイザーをするともに、高校、大学での講演会の講師として年50回以上の講演を行っている。